【講師】
ミュリエル・ジョリヴェ
上智大学名誉教授
専攻/家族社会学
著書/『フランス 新・男と女−幸福探し、これからのかたち』 平凡社新書 2003年
パリ大学東洋語学科で日本語・中国語を学び、1973年に奨学金を得て来日。81年に同大学大学院博士課程修了。上智大学外国語学部フランス語学科を2017年に定年退職。現在、同大学名誉教授。2013年にフランス政府から国家功労勲章シュヴァリエを受章
日本人が漠然とイメージするフランスと、今のフランスの実情は大きくかけ離れている。文化、宗教、民族、地理的背景の異なる大量の移民が流入する現代フランス社会には、複雑でデリケートなたくさんの問題が起きている。数百万人といわれる正式な国籍を持たない移民たちは、どのように暮らしているのか。公立校でのスカーフ着用など移民たちがもたらした非フランス的な習慣は、どのような状況を生みだしているのか。精力的な現地取材に基づいて、荒れる郊外地区、宗教・民族対立、人種差別、極右の台頭など、現代フランス社会が抱える問題を浮き彫りにするとともに、それと闘う人たちの声を紹介する。