【講師】
私市 正年 上智大学名誉教授
専攻分野/北アフリカ・イスラーム史研究。イスラーム宗教運動研究
著作/私市正年『原理主義の終焉か』、山川出版社、2012 他多数
いま、もっとも活力のある宗教は?、と問われれば、誰もがイスラームと答えるでしょう。たしかに、イスラームは、中東地域だけでなく、アジアやアフリカに、さらには欧米にも広がっています。12億人、地球の人口の5人に一人がイスラーム教徒です。ところが、イスラーム諸地域で紛争や対立が起こっているため、イスラーム自体に、紛争や対立、テロの原因があるのではないか、と言われることもあります。しかし、イスラーム教徒の大部分が争いを起こすこともなく、他宗教と平和的に共存してきたし、今もそうであることは、言うまでもありません。本講義では、イスラームが誕生した背景から説き起こし、イスラームの繁栄と平和的な共存の実態、それが現在のような諸問題と関わるようになっていった状況について、歴史・教義・政治の原点から再考してみたいと思います。今日のイスラームや宗教・文明の諸問題にご関心をお持ちの方はどうぞご出席ください。