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講座詳細

【受付終了】死の遺伝子の謎
細胞の死と個体の死
2018/10/13(土)
【開催回数】 全1回
【受講料】 3,500円
【講座番号】 18AWF01
【受付状況】
講座概要
   私たちの身体の中では、生理的に絶えず細胞の死が起きています。その数は何と1日に約4000億個(ステーキ1枚分)、全細胞(約40兆個)の1%にもなります。しかも、驚いたことに全ての細胞に遺伝子として死がプログラムされているのです。生命の始まりとして、卵子と精子が合体してできる受精卵の良し悪しの選別、また、発生過程での手足の指や複雑な臓器の形成などにも、細胞死が重要な働きをしています。さらに、成体になってからも、老化した細胞や異常をきたした細胞が、自ら細胞死を起こして消去されています。細胞死は、個体の発生の初めから終焉に至るまで、生命に内包されているのです。つまり、生命は細胞の死によって維持されているのです。  私たちの身体をつくっている体細胞は、血液細胞や肝細胞、腎細胞のように、新陳代謝によって新しい細胞に置き替わる再生系の細胞と、神経細胞や心筋細胞のように生まれてから何十年もの間、高度な機能を果し続けて、ほとんど置き替わることのない非再生系の細胞に便宜的に分けることができます。再生系の細胞は、個々の特殊な機能を果たしているうちに老化し、自ら死を決めて実行していきます。この細胞死は「アポトーシス(apoptosis、自死)」と呼ばれ、生命を維持していく上で不可欠な細胞死です。つまり、アポトーシスは、老化して不要になった細胞や、ウイルスなどに感染して異常をきたして有害となる細胞を排除するという重要な役割を果たしているのです。しかし、再生系の細胞といっても、増殖と死を無限に繰り返すことはできず、その回数に限界があります。一方、非再生系の細胞も、永遠に生き続けることはできず、その高度な機能を果たせる時間に限界があり、耐用年数がくると細胞死を起こします。この細胞死は、個体の死に直結してくることから、アポトーシスとは意味合いが異なります。そこで、この細胞死を「アポビオーシス(apobiosis、寿死)」と名付けて区別しています。私たちの身体の中には、アポトーシスによる回数券的な細胞死と、アポビオーシスによる定期券的な細胞死が、遺伝子として二重にプログラムされているのです。そして、そのどちらかを使い果たしてしまうと、個体としての死が訪れるようになっているのです。  21世紀は、遺伝子を基点として死生観、生命観を考える時代になって来ています。「死の遺伝子」は、自分とは何か、アイデンティティを追求できる、つまり「問うことができる」、そして、一人ひとりの一生に何か求められていることがある、つまり「問われている」、ということを問いかけているような気がします。そう考えると、「死」は、生の前提であると同時に、生の在り様の大切さを教えてくれる、永遠に繋がる存在なのだと思います。本講座では、死のメカニズムの進化から、必然としての死のある意味を考えてみたいと思います。 【キャンセルポリシー】 区分B キャンセルポリシーは講座のお申し込み後、受講キャンセルの際に区分ごとにキャンセル料が異なります。 お申し込み前に東京理科大学オープンカレッジ受講規約<https://web.my-class.jp/manabi-tus/asp-webapp/jsp/web/tus/base/kiyaku.jsp>でご確認ください。 【パック料金】 パック料金を設定しています。 詳細は下記URLをご覧ください。 <https://web.my-class.jp/manabi-tus/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=132858>
定員 50名
会場 セントラルプラザ2F
残席状況
備考
講座スケジュール
日 時 内容・講師
2018/10/13(土)
10:00〜12:00
講座概要を参照
講師紹介
田沼 靖一
東京理科大学 名誉教授/博士(薬学)
受講のお申込み
料金区分 受講料
一般・大学生 3,500円


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