「抗がん剤=吐く」はもう過去の話
〜吐かない治療を実現した、薬剤師の知られざる貢献〜

講座番号: 公開講座

< 講座概要 >
 今でも「抗がん剤=吐く」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。しかし現在では、吐き気や嘔吐(吐くこと)を抑える薬(制吐薬)の進歩により、「抗がん剤でも吐かない」ことが期待できる時代へと大きく変わっています。これを実現できた背景には、薬剤師が関わってきた多くの臨床試験があります。制吐薬の効果や最適な組み合わせを明らかにする研究を薬剤師が中心となって行い、その成果が今の治療として広く使われています。さらに医療の現場では、患者さん一人ひとりに合わせて、薬剤師が薬の使い方を工夫し、副作用をできるだけ防ぐ取り組みも行われています。こうした積み重ねが、現在の「抗がん剤でも吐かない」治療の実現につながっています。本講演では、吐き気や嘔吐の仕組みと現在の対策を分かりやすくご紹介します。また、副作用を抑えながら治療を続けるために、薬剤師が医療現場と研究でどのように関わっているのかについてお話しします。さらに、「吐かない時代」から一歩進み、患者さん一人ひとりに合わせた吐き気対策の実現に向けた将来の取り組みについてもご紹介します。この講演が、抗がん剤治療への不安を少しでも和らげ、安心して治療に向き合うきっかけになればうれしく思います。
< 受講生へのメッセージ >
 患者さんが安心してがんの治療に向き合えるように、薬剤師は医療の現場だけでなく研究の面からも大きく関わってきました。薬剤師は「調剤をする人」というイメージを持たれることもありますが、現在では患者さんの治療に直接関わり、医師に最適な薬を提案するなど、積極的に治療に参画しています。治療の進歩とともに医療者それぞれの役割も変化しており、薬剤師の役割も広がっています。本講演を通して、吐き気を防ぐ治療の進歩の背景にある工夫や薬剤師の取り組みを知っていただき、がん治療の現状を理解するきっかけとなれば幸いです。
分野健康
期間2026/11/28(土)
曜日・時間土曜日 10:20〜11:50
回数1回
講座提供機関東京薬科大学
会場学園都市センター
残席状況○
お知らせ
備考場所:12階 第1セミナー室 定員56名
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2026/11/28(土) 10:20〜11:50

【講師紹介】
横川 貴志
薬学部 薬学科 准教授 2003年に明治薬科大学薬学部を卒業。東大宮総合病院、東武薬局を経て、2006年に公益財団法人がん研究会有明病院薬剤部に入職。 がん専門薬剤師・がん指導薬剤師の資格を取得するとともに、2019年〜2022年には慶應義塾大学に共同研究員として従事し博士(薬学)の学位を取得。2025年より東京薬科大学薬学部臨床薬理学教室の准教授に就任し現在に至る。専門分野は臨床腫瘍学であり、がん化学療法における副作用重症化メカニズムの解明、支持療法の開発・個別化を目指す臨床研究に取り組んでいる。主な受賞歴:第60回日本癌治療学会 最優秀演題賞(2022年)、第61回日本癌治療学会 優秀演題賞(2023年) 著書:膵癌診療ガイドライン 2025年版(分担執筆)、がん専門薬剤師の極意を学ぶ! 症状アセスメント実践ゼミ(編者)    がん薬剤師外来マニュアル(分担執筆)、がん薬物療法のひきだし 第2版: 腫瘍薬学の基本から応用まで(分担執筆)、がん薬物療法副作用    管理マニュアル 第3版(分担執筆)、患者・市民のための膵がん診療ガイド 2023年版(分担執筆)
料金区分受講料
一般 0円