はたらく幹細胞
〜多細胞からなる私たちの生命を支えるしくみ〜

講座番号: 公開講座

< 講座概要 >
 私たちの体は数十兆個もの細胞からできています。驚くべきことに、そのような細胞の多くは限られた寿命しかないにもかかわらず、私たちは何十年にもわたって生き続けることができます。これは、日々失われる細胞が、常に補われているからです。この仕組みを支えているのが「幹細胞」と呼ばれる特殊な細胞です。幹細胞は、自分と同じ性質を持つ細胞をつくり出す能力(自己複製能)と、さまざまな種類の細胞へと変化する能力(多分化能)を併せ持ち、生涯にわたって体に必要な細胞を供給し続けています。すなわち幹細胞とは、細胞の供給によって私たちの生命を支えるために、日々体の中で「はたらく細胞」といえます。  本講義では、数ある幹細胞の中でも特に研究の進んでいる「造血幹細胞」に焦点をあてます。造血幹細胞は、骨の中の「骨髄」に存在し、血液の中にあるすべての細胞を生み出す能力を持ちます。血液中の細胞には、酸素を運ぶ赤血球、出血を防ぐ血小板、微生物の侵入から体を守る白血球が含まれています。造血幹細胞のはたらきや、そのバランスが崩れることで生じる疾患について解説し、幹細胞のはたらきとその調節が生命の維持にとっていかに重要であるかをわかりやすくお伝えできればと考えています。
< 受講生へのメッセージ >
 皆さんが体調不良のために血液検査を受けるとき、ほぼ必ず白血球、赤血球、血小板などの血液細胞の数が調べられています。これは、体調の変化が血液細胞の数の変化に反映されることが多いためです。これらの細胞を産み出すもとが「造血幹細胞」です。造血幹細胞は、体の中でもっともダイナミックに変化する幹細胞といえるでしょう。普段は意識することのない幹細胞のはたらきと健康の関係について一緒に考えてみましょう。
分野科学
期間2026/11/07(土)
曜日・時間土曜日 13:30〜15:00
回数1回
講座提供機関東京薬科大学
会場学園都市センター
残席状況○
お知らせ
備考場所:12階 イベントホール 定員216名
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2026/11/07(土) 13:30〜15:00

【講師紹介】
平位 秀世
生命科学部 生命医科学科 教授 1991年に京都府立医科大学・医学部を卒業し、医師としての勤務を経たのちに1999年から京都府立医科大学・微生物学教室に着任し、基礎医学研究を志す。2004年から2006年にかけてHarvard Medical Schoolに留学し、2009年からは京都大学・医学部附属病院・輸血細治療部 / 検査部で基礎研究と臨床の橋渡しに従事した。2020年に東京薬科大学の教授として着任し、学部生及び大学院生の教育及び研究に従事している。専門は血液学・免疫学・輸血細胞治療学で、造血幹細胞の制御機構・その破綻による疾患の病態解明・新規に発見した免疫細胞の形成機構と機能的意義の解明等に取組んでいる。 著書:「造血器腫瘍アトラス(改訂第5版)」(分担執筆、日本医事新報社)、「新・白血病学(上)―病態・診断・治療―」(分担執筆、日本臨牀社)、「今日の臨床検査 2025-2026」(分担執筆、南江堂)、「Bone Marrow Transplantation – Basic and Clinical Studies」(分担執筆、Springer Verlag)等。
料金区分受講料
一般 0円