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< 講座概要 >
私たちの体は数十兆個もの細胞からできています。驚くべきことに、そのような細胞の多くは限られた寿命しかないにもかかわらず、私たちは何十年にもわたって生き続けることができます。これは、日々失われる細胞が、常に補われているからです。この仕組みを支えているのが「幹細胞」と呼ばれる特殊な細胞です。幹細胞は、自分と同じ性質を持つ細胞をつくり出す能力(自己複製能)と、さまざまな種類の細胞へと変化する能力(多分化能)を併せ持ち、生涯にわたって体に必要な細胞を供給し続けています。すなわち幹細胞とは、細胞の供給によって私たちの生命を支えるために、日々体の中で「はたらく細胞」といえます。
本講義では、数ある幹細胞の中でも特に研究の進んでいる「造血幹細胞」に焦点をあてます。造血幹細胞は、骨の中の「骨髄」に存在し、血液の中にあるすべての細胞を生み出す能力を持ちます。血液中の細胞には、酸素を運ぶ赤血球、出血を防ぐ血小板、微生物の侵入から体を守る白血球が含まれています。造血幹細胞のはたらきや、そのバランスが崩れることで生じる疾患について解説し、幹細胞のはたらきとその調節が生命の維持にとっていかに重要であるかをわかりやすくお伝えできればと考えています。
< 受講生へのメッセージ >
皆さんが体調不良のために血液検査を受けるとき、ほぼ必ず白血球、赤血球、血小板などの血液細胞の数が調べられています。これは、体調の変化が血液細胞の数の変化に反映されることが多いためです。これらの細胞を産み出すもとが「造血幹細胞」です。造血幹細胞は、体の中でもっともダイナミックに変化する幹細胞といえるでしょう。普段は意識することのない幹細胞のはたらきと健康の関係について一緒に考えてみましょう。
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