|
< 講座概要 >
韓国児童文学史において、現存する最古の童話集は、呉天錫(オ・チョンソク/오천석)『金の鈴(금방울)』(廣益書館、1921年8月15日刊行)です。その翌年、1922年7月7日には、方定煥(パン・ジョンファン/방정환)『愛の贈り物(사랑의 선물)』(開闢社)が刊行され、さらに1923年3月、同じく方定煥が児童雑誌『オリニ(어린이)』(開闢社)を創刊しました。これらをもって、本格的な韓国児童文学史の始まりと見なされています。
『金の鈴』には、アンデルセンの「マッチ売りの少女」「人魚姫」「旅の仲間」ほか、合計10編のいわゆる世界名作童話の翻案作品が掲載されました。方定煥『愛の贈り物』では、アミーチスのクオレ(「難破船」)、ペローのシンデレラ(「サンドリヨンのガラスの靴」)、オスカーワイルドの幸せの王子(「王子と燕」)などが掲載されています。つまり、韓国児童文学史における最初の童話集である呉天錫『金の鈴』(1921)も、方定煥『愛の贈り物』(1922)も、ともに外国童話の翻訳・翻案集だったのです。ここから始まった韓国児童文学の特質を考察します。
< 受講生へのメッセージ >
私が初めて<韓国>に出会ったのは1988年、ソウルオリンピックの年です。ハングル文字を見たのも、韓国語の響きを聞いたのもこの時が初めてでした。そしてこの年、韓国人作家による初めての現代韓国絵本が誕生しました。それから30年以上が経過して、小さなノーベル賞とよばれる国際アンデルセン賞を受賞する絵本作家(スージー・リー、2022年受賞)が生まれ、ついにノーベル文学賞受賞作家(ハン・ガン、2024年受賞)も生まれた韓国。歴史的にも日本と関係の深い、隣人の暮らしと文化に興味は尽きません。
|