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< 講座概要 >
戯曲『ファウスト』は、ドイツの文豪ゲーテの代表作であり現在でもなおその輝きを失わない世界文学の傑作です。この戯曲のなかから、とくに有名で意義深い3場面を選び、さらに各場面で重要な言葉を取り上げて解説します。3回連続講義ですが、1回ずつ完結するようにお話しいたします。
第1回 「ああ、おれの胸には二つのたましいが住んでいる」(『ファウスト第1部』1112行)
人生の大半を学問研究に捧げてきたファウストは、復活祭の鐘の音に誘われるかのように、人々が祭りを楽しむ戸外に出かけます。そして野原で自身の悩みを弟子に伝えます。
第2回 「美しいお嬢さん。失礼ですが、わたしの腕をお貸しして、お家へお送りいたしましょう」(『ファウスト第1部』2605行)
この台詞はメフィストーフェレスと賭けをした後のファウストが、魔女の薬を飲んで別人のようになって、町の通りで偶然出会った女性に発したものです。
第3回 「支配するのだ、所有を確立するのだ。事業がすべてだ。名声は取るに足らぬ」(『ファウスト第2部』第4幕10187〜10188行)
ファウストの最後の野望が決定的になる瞬間に、発せられた言葉です。次に続くファウストの決意表明の後、戦争を告げる太鼓の音と軍楽が遠く聞こえてきます。
※引用の言葉は手塚富雄訳です。
< 受講生へのメッセージ >
日本では明治44年に森鴎外が『ファウスト』全訳を成し遂げて以来、数多くの素晴らしい翻訳が出版されてきました。これらの翻訳は日本文化の宝ではないでしょうか。講義では翻訳の文章もいくつかご紹介し、受講生の皆さまと『ファウスト』の世界を楽しみたいと思っております。
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