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< 講座概要 >
近年世界的に評価の高い韓国の美しい現代絵本を鑑賞しながら、隣国の文学・歴史・文化を学びます。
本講座では、1969年に韓国で第一回キリスト教児童文学賞を受賞した権正生(クォン・ジョンセン)の童話「こいぬのうんち」を丁寧に読みます。
権正生は1937年に東京渋谷で生まれ、1946年に帰国しました。その後の朝鮮戦争と南北分断という過酷な韓国現代史を生き抜きながらどのような作品を書いたのでしょう。
「こいぬのうんち」は、1996年に絵本となって再び世に出ると、現在も初等学校国語教科書に必ず登場する国民童話として愛されるようになりました。
韓国の人々から敬愛される現代韓国児童文学を代表する権正生の文学とその生涯をたずねます。美しい絵本となった童話を通して、ハングルと隣人の心に触れる感動を体験いたしましょう。
【持ち物】 筆記用具
*「こいぬのうんち」の原文、ハングルテキストを丁寧に読みます。受講者はハングルが読めないことを前提に、ハングルの入門から分かり易く解説いたします。
*隣国の代表的な童話を原文で読み、その背景(歴史・文化・心情)を理解しながら、ノーベル文学賞作家を輩出した韓国の文学と社会の一側面を探究したいと思います。
『こいぬのうんち』文:権正生/絵:チョン・スンガク(キルボッオリニ、初版1996年)(日本語版:平凡社)
< 受講生へのメッセージ >
私が初めて<韓国>に出会ったのは1988年、ソウルオリンピックの年です。ハングル文字を見たのも、韓国語の響きを聞いたのもこの時が初めてでした。そしてこの年、韓国人作家による初めての現代韓国絵本が誕生しました。それから30年以上が経過し、小さなノーベル賞とよばれる国際アンデルセン賞を受賞する絵本作家(スージー・リー)が生まれ、ついにノーベル文学賞受賞作家(ハン・ガン)も生まれた韓国。歴史的にも日本と関係の深い、隣人の暮らしと文化に興味は尽きません。
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