韓国の童謡100年をわかちあう
〜童謡・童詩で知る朝鮮半島の近代オリニ運動〜

講座番号: 公開講座

< 講座概要 >
 韓国の人々に愛され、国民愛唱歌として歌い継がれている「パンダル(半月)」「故郷の春」「オッパセンガク(兄さま想い)」は、ハングルで書かれた近代の新しい詩であり、当時の朝鮮の人々の情感がこめられた童謡です。創作されて100年を迎えました。今も歌い継がれ人々の心に生きる国民愛唱歌誕生の背景を韓国における近代児童文学成立史の観点からたずねます。  儒教倫理の長幼の序に厳しい朝鮮で、歴史上初めて子どもの人権や童心を尊重する「オリニ運動」を行ったといわれる方定換(パン・ジョンファン)は、朝鮮半島の子ども(オリニ)の父として、近代偉人の一人に挙げられます。日本の大正期の『赤い鳥』に比較される朝鮮初の芸術的児童文芸誌『オリニ(子ども)』(1923年創刊)を創刊し、ハングルで書かれた童話や童謡を通して朝鮮の子どもたちに愛と希望を与えました。近代オリニ運動と童謡誕生の歴史をふりかえりながら、隣人の暮らしと心情を理解します。
< 受講生へのメッセージ >
 私が初めて<韓国>に出会ったのは1988年、ソウルオリンピックの年です。ハングル文字を見たのも、韓国語の響きを聞いたのもこの時が初めてでした。そしてこの年、韓国人作家による初めての現代韓国絵本が誕生しました。それから37年が経ち、小さなノーベル賞とよばれる国際アンデルセン賞を受賞する絵本作家(スージー・リー)が生まれ、ついにノーベル文学賞受賞作家(ハン・ガン)も生まれた韓国。歴史的にも日本と関係の深い、隣人の暮らしと文化に興味は尽きません。
分野文学
期間2025/07/25(金)
曜日・時間金曜日 10:20〜11:50
回数1回
講座提供機関東京純心大学
会場学園都市センター
残席状況
お知らせ
備考場所:12階 第1セミナー室 定員56名
その他資料      
講座詳細詳細
【講座スケジュール】
日程時間講義内容
2025/07/25(金) 10:20〜11:50

【講師紹介】
大竹 聖美
現代文化学部 こども文化学科 教授 韓国児童文学翻訳・研究。白百合女子大学大学院文学研究科児童文学専攻修士課程修了後、日韓文化交流基金訪韓研究員、大韓民国政府招聘留学生としてソウル・延世大学校大学院教育学部博士課程にて博士(教育学)学位取得。アジア児童文学日本センター理事、韓国児童文学学会国際理事、韓国児童青少年文学学会国際理事、日本ペンクラブ・日本文藝家協会会員。優れた韓国の絵本の翻訳・講演等多数。 著書:(単著)『植民地朝鮮と児童文化』(社会評論社)/(共著)『絵本の絵を読む』(ミネルヴァ書房)、『絵本をひらく』(人文書院)、『10歳の質問箱』(小学館)、『いま、この研究がおもしろい』(岩波ジュニア新書)など。/(翻訳)『チェクポ』『トッケビとどんぐりムク』(ともに福音館書店)、『とらとほしがき』『ぼくって、ステキ?』(ともに光村教育図書)、『非武装地帯に春がくると』(童心社)、『わたしたちのケーキのわけかた』(偕成社)など。
料金区分受講料
一般 0円