< 講座概要 >
第二次世界大戦終了後、欧州の地で二度と戦争を起こさせないとの強い思いで、欧州各国の統合が始まりました。最初はフランス・ドイツ・イタリアとベネルクス三国の6カ国で始まった経済・市場統合の運動が、現在では27カ国による欧州連合(EU)という、共通通貨ユーロの導入を果たし、さらには政治的な統合をも視野に入れた壮大な試みとして展開してきました。しかし、その過程は決して順調な道ではなく、実に様々な障害の連続でありました。共通通貨ユーロの危機、大量な難民の流入に伴う各国間の軋轢、さらには重要な加盟国の一つである英国の離脱に至るまで、どれ一つとして簡単に乗り越えられる問題はありません。これらの危機に直面しながらなお統合を目指して進むEUの実態を学んでいきたいと思います。そしてその中から、日本が東アジアの中国・韓国ならびに北朝鮮との間にどのような関係を構築していくべきかの示唆を得ていきたいと思います。
< 受講生へのメッセージ >
東アジアにおいて、日中韓の関係を良好にしていくのは難しい問題だと思われる方が多いと思いますが、欧州を構成する民族・国家の多様性は、日中韓の3カ国の違いの比ではありません。その欧州の人々が、信じられないほどの困難・問題を乗り越えて統合へ進む姿とその動機をお伝えしたいと思っています。
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