< 講座概要 >
1925年、12歳の少女だった崔順愛(チェ・スネ)が、日本の『赤い鳥』と比較される朝鮮初の児童文芸雑誌『オリニ』に投稿した童謡「オッパセンガク(兄さま想い)」を美しい韓国の絵本で読みます。
国民的愛唱歌として現在も韓国の人々に愛される童謡「オッパセンガク」 には、東京に留学し、関東大震災で帰郷した実の兄を待つ少女の心情が描かれています。
本講座では、韓国初の文人夫婦と呼ばれた李元壽(「故郷の春」)・崔順愛(「オッパセンガク」)夫妻の童詩文学誕生の背景を学びながら、隣人の暮らしと歴史を理解します。
【持ち物】筆記用具
*「オッパセンガク(兄さま想い)」の原文、ハングルテキストを丁寧に読みます。受講者はハングルが読めないことを前提に、ハングルの入門から分かり易く解説いたします。
*隣国の代表的童謡・童詩を全文原文で読み、その背景(歴史・文化・心情)を理解しながら、ノーベル文学賞作家を輩出した韓国の文学と社会の一側面を探究したいと思います。
『兄さま想い』
詩:崔順愛/絵:キム・ドンソン
パランセオリニ、2015年(未邦訳)
< 受講生へのメッセージ >
私が初めて<韓国>に出会ったのは1988年、ソウルオリンピックの年です。ハングル文字を見たのも、韓国語の響きを聞いたのもこの時が初めてでした。そしてこの年、韓国人作家による初めての現代韓国絵本が誕生しました。それから37年が経ち、小さなノーベル賞とよばれる国際アンデルセン賞を受賞する絵本作家(スージー・リー)が生まれ、ついにノーベル文学賞受賞作家(ハン・ガン)も生まれた韓国。歴史的にも日本と関係の深い、隣人の暮らしと文化に興味は尽きません。
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