< 講座概要 >
ボードゲームやテレビゲームをはじめ、多くのゲームが世の中で利用されています。そして、ゲームをクリアするためのコツ(裏技)や、ゲームを遊んでいるときの様子を実況中継する動画がSNSに多数みられるようになりました。本講座では、ゲームを素材とする各種の著作権法上の問題をひとつひとつひもとくことで、著作権法の重要ポイントを理解していただけるのではないかという趣向です。初回に著作権法の概要的な基礎知識をお話しし、その後の回で具体的な問題に取り組みます。
まず、将棋や囲碁の棋譜(実際の対戦の記録)通りに指していく手順を盤上で再現する動画を製作してアップロードする行為がどう扱われるべきか。東京地方裁判所(令和6年2月26日)と大阪地方裁判所(令和6年1月16日)で判決が出ています。また、ゲームのルールを新たにつくって、そのゲームに特化したカードを販売している場合(UNOの例)に、他社がそのカードを販売できるかという点も、論点になるかもしれません。プロ野球ゲームに、実在の選手の名前やチーム名をもちいることができるかという点についても裁判がありましたから、学んでいきたいと思います。余裕があれば、デジタルゲームや、ネットを介した対戦ゲームの検討をしてみましょう。
なお、講義当日にご希望があれば、ゲーム以外の著作権問題についても質問等をお受けします。
(入門から基礎レベル)
< 受講生へのメッセージ >
著作権法は難しいといわれることがありますが、知らないことと、難しいことは少し意味が異なると思います。少し内容を知ると、とんとんと考えが続くようになり、またあらたな疑問がわくかもしれません。今回は、ゲーム(将棋からネット対戦ゲームまで)を広く素材として、これらのなかから、受講者の関心にあわせて、実例をみながら疑問点を解決してゆきたいと思います。
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