< 講座概要 >
絵画といえば美術館にある芸術作品を想像することでしょう。しかし、18世紀から19世紀後半にかけて西洋人からして見知らぬアジアを視覚化したのはイギリス陸・海軍の将校、絵心のある貿易商人によって描かれた作品でした。これらは軍事目的または領土拡大のための情報伝達資料といえ、ようするにイギリス東インド会社、軍、貿易拡大に必要な情報を伝達する目的で描かれた作品が中心でした。
本講義では、そうした絵画作品を検証しながらアジアおよび日本の当時の真の姿を再認識することを目的としています。写真術が進歩するまでは絵画によって見知らぬ地(アジア)を理解する貴重な作品群だと評価されるようになりました。
別の意味で日本の浮世絵は江戸時代から明治時代の情報伝達を目的とし、今でいうなら旅行ガイドブックとしての役割を担っていたとも解釈できます。浮世絵の場合は著名な浮世絵師の作品が多く残され「日本」を海外に発信しただけに留まらず、ヨーロッパの印象派画家を大いに刺激したことでも知られています。ここでは、欧米人画家、中国人画家、日本人絵師たちが発信したアジア・日本を通常とは異なる視線から検証し、今のアジアや日本と比較検証してみてください。
< 受講生へのメッセージ >
1990年代から欧米では視覚化された資料(絵画、版画、スケッチ画)を歴史学に対する興味を向上するために取り入れ、その一方では美術史では歴史学を取り入れ、興味を向上するようにした。よって、非常に新しい研究分野である。本講義ではリラックスして絵画作品を堪能していただければ幸いです。
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