< 講座概要 >
一般的には、江戸時代の学問と言えば「儒学」と言われています。ただ、江戸時代全体を通してみると、儒学を学ぶことが当時の人々にとって、普通なことではなかったことに気付かされます。中国から伝来した儒学思想は、日本でどのように受容され、理解されていったのでしょうか。江戸時代は、武家が統治者でありました。また、中国や朝鮮のように科挙のない身分制社会のなか、誰もが儒学を学ぶモチベーションがあったわけではありませんでした。そのような社会で、儒学を学ぶとはどのような意味を持っていたのでしょうか。
そこで今回、改めて、日本における儒学という「学問」の位置付けについて振り返っていきたいと思います。
最初に、日本伝来から古代中世における儒学の受容について概略を振り返りつつ、その後、江戸時代における儒学の展開について見てゆくことにしたいと思います。
< 受講生へのメッセージ >
ちょっとしたことであっても、新たな学びを得られることは、生活を豊かなものにしてゆくことに繋がるのだろうと思っております。
もちろん、今回のお話は、思想史という、”王道”の歴史からは横道にそれた、ちいさなトピックかもしれません。ただ、現代の自分が見ている世界や考えとどう違うのか、逆に、どう自分の考えと繋がるのか、そのようなことを考える材料として活用してもらえると幸いです。
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