< 講座概要 >
本講義では、環境問題のテーマ化に際して重要な意味を持った著作を、可能な限り原典を「読む」ことを通して解説します。また、経済成長・テクノロジーと環境保護との緊張関係という現代的問題を考察することで、「豊かでなければ私たちは幸せになれないのか」という根本問題に迫りたいと思います。具体的には次のような内容を予定しています。
@ レイチェル・カーソン『沈黙の春』より
A「成長の限界」から「持続可能な開発」「SDGs」へ
B なぜ環境を保護するのか 〜 環境思想の多様性
C「豊か」でなければ私たちは幸せになれないのか 〜 環境と経済
思想をキーワードとした4回シリーズの講座としました。本講座に引き続き、「環境政策」が開講される予定です。両科目は独立した科目であり、いずれか一方を受講することも、両方続けて受講することも可能です。
< 受講生へのメッセージ >
「なぜ」「どのように」「どの程度」環境を保護すべきかという考え方はさまざまで、相対立することもあります。例えば、経済的豊かさを享受しながら環境に優しいライフスタイルをめざすのか、経済成長そのものを問い直すのか。
環境政策が今日のようなかたちで定着するまでには、さまざまな思想的試みがありました。古典をひもとき思索することは、環境問題への理解にも幅を持たせてくれるでしょう。
ドブソン編著『原典で読み解く環境思想入門』(ミネルヴァ書房、1999年)も有益な手引き書です。
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