< 講座概要 >
先進国と開発途上国の著しい経済格差は、一般に「南北問題」と呼ばれ、国際社会が解決すべき重要な課題のひとつです。低開発は途上国に固有の問題と見なされたり、逆にすべてが植民地支配の遺制に解消されたりすることもあるのですが、私たちには先進国と途上国の問題をワンセットのものとしてとらえ、グローバル化の中での新たな展開をふまえつつ、解決の糸口を探っていく視点が求められます。具体的には、次のようなテーマを扱う予定です。
【第1部 経済開発と民主主義】
@ 南北問題の現在 〜 新たな格差の発生?
A 開発独裁国家の民主化 〜 韓国と中国を例に
【第2部 グローバル化の中の国際関係】
B アフリカにおける資源と開発 〜 もはや「暗黒大陸」でない
C 移民送出国と受入国 〜 トルコと西ドイツ
この講座は、「欧州統合の政治経済学」に引き続いて開講される予定です。両者はそれぞれ独立の講座なので、いずれか一方のみ受講することも、両方受講することも可能です。
< 受講生へのメッセージ >
南北問題という言い方は、今日では実情に合わなくなっています。経済発展に成功した国とそうでない国の格差、すなわち「南南問題」に重点が移っているのです。経済発展に成功した国でも、開発独裁や民主主義の問題が問い直される必要があります。移民や外国人労働者の問題は依然として重大な関心事ですが、グローバル化の中での新しい展開(資源の囲い込みなど)にも目を向ける必要があります。開発途上地域の今を知ることで、世界と日本を見る視野を拡張していきましょう。
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