< 講座概要 >
スリランカの北半分を占める乾燥地域では、年間降水量の約7割が雨季に集中している。そのため天水だけでは乾季の耕作が困難であったことから、古代から多くの貯水池や水路が築造されてきた。これらを基盤とした貯水灌漑システムは、上流からの排水を下流で用水として反復利用することを可能とした画期的なものであった。この水利システムの主な特徴は連珠貯水池ネットワークとソロウワと呼ばれる水利施設である。ソロウワは、堤防に埋設された石造の暗渠式取水施設で、巨大な貯水池から決壊の恐れなく取水することを可能とした重要な水利施設である。しかしながら、仏教遺跡の調査が中心となっているスリランカでは、ソロウワなどの古代の水利施設に関する考古学調査がほとんどなされてこなかった。そのため、劣化が進んでいる遺構も多く、盗掘や貯水池の修繕工事によって半壊、全壊してしまったものも少なくない。そのような中で、講演者は2017年から現地に赴き、古代の水利施設の調査に取り組んでいる。
本講座では古代スリランカで高度に発達した貯水灌漑文明の概要と、現地調査の最新の成果について、写真や図を多用しながら、分かりやすくお話しさせていただきます。
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※配信期間 令和6年4月10日(水)〜4月24日(水)
※令和6年4月9日(火)に八王子市学園都市大学事務局より、ご登録いただいているメールアドレスにオンデマンド配信のURLを送信します。
< 受講生へのメッセージ >
みなさんは、「スリランカ」と聞いて何を連想しますか?スパイスの効いたカレーですか?それとも、かぐわしい香りのセイロンティーですか?近年、海外旅行先として注目を集めつつあるスリランカですが、その詳しい歴史についてはあまり知られていません。本講座では、現地調査での体験談も踏まえながら、スリランカの古代貯水灌漑文明の謎に迫りたいと思います。スリランカにご興味のある方、ご旅行を考えている方、ぜひご参加ください。
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