< 講座概要 >
「経済史」という学問が対象とするのは広く経済現象・経済活動の歴史であり、それは経済・社会の発展のメカニズムを理解するうえで、大変に重要な役割を果たしています。たとえば、現代の世界経済はヨーロッパ経済が世界に拡大する形で形成されたものであります。日本やアジア諸国の経済成長はその経済システムのなかで達成されたものであります。ですから、「西洋経済史」 − より具体的に言えば、資本主義という経済システムの発生とその変遷 − を学ぶことは、単に「歴史に学ぶ」という有用性にとどまるだけでなく、現代の経済・社会を理解する上で、きわめて重要な意味をもっています。
この講義では、中世社会の解体のなかから近代資本主義が徐々に形成され、経済・社会を世界規模で覆っていくプロセス、すなわち、「近代の工業化」について、やはり中世以降という非常に長いスパンで把握する必要がある近代市場経済の生成と展開(市場経済化)という視点を含めつつ論じたいと思います。授業は、基本的には対面での講義形式で進めていきますが、途中複数回のペアワークやグループディスカッションなども行いたいと考えています。
※9月16日、23日、11月4日は祝日開講です。
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