< 講座概要 >
土岐善麿(1885〜1980)は、25歳のときローマ字三行書きの短歌『NAKIWARAI』で石川啄木に大きな影響を与え、啄木の最晩年の親友として、啄木の死後、遺作を出版して啄木の普及に努めたことでも知られていますが、その後、94歳で亡くなる直前まで短歌を作り続けました。
朝日新聞社を定年退職してから「書斎生活」に入って書いた田安宗武についての論文で博士号、学士院賞を受賞し、大学で講義を持つようになります。80歳になる年に、新しくできた武蔵野女子大学文学部日本文学科の主任教授に就任し、93歳まで勤め上げました。善麿は、ローマ字運動やエスペラントにも関心が高く、新作能、漢詩の現代日本語訳なども善麿の特色ある仕事です。戦後、国語審議会の会長や、日比谷図書館長も務めました。
この長い人生で作ってきた短歌を年代順に6回の講義で、受講生のみなさんと読み解いていきます。
< 受講生へのメッセージ >
授業で読む作品は、プリントで用意する予定です。授業では、短歌のほか善麿がたくさん残したエッセイや新聞記事なども参考にします。
1885(明治18)年生まれというと、昔の人のようにも思えますが、土岐善麿の作品は、不思議にあまり古さを感じさせません。
たくましく長寿を満喫した善麿の生涯を作品で辿ると、高齢化社会を生きる知恵も学べるように思えます。ご一緒に、心と頭を大いに動かして、読みを深めてまいりましょう。
|