< 講座概要 >
本講座では、世界帝国・ローマの主要な⾔語であったラテン語を初歩から学びます。ラテン語によって表された哲学や⽂芸は、ヘレニズム期には古典ギリシア語に対し副次的なものでしかありませんでしたが、ローマ共和政末期から帝政期になるとその数は膨らみ、キケロの弁論や書簡、カエサルの戦記、ウェルギリウスやオウィディウスの詩、ペトロニウスやアプレイウスの⼩説、アウグスティヌスらのキリスト教⽂献を中⼼に、余波はルネッサンス期に⾄るまで続きます。
⾔語の系統という観点からすれば、インドヨーロッパ語に属するラテン語は、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語等の祖先に当たり、フランス語を経由して英語にも多くの語彙を提供しています。しかし⽂法体系はこれらの語とは異なる点が少なくありません。そのような古典ラテン語の発⾳や⽂法を、教科書に即して初歩の初歩から学ぶこと、これが本講座の⽬的です。
具体的に列挙すれば、
1)名詞・形容詞については各種の変化
2)動詞については規則的な動詞の能動態の時制変化
となります。また本講座では、同時に、ヨーロッパ⽂化を形作るもう⼀つの古典語であるギリシア語や、ギリシア・ローマ⽂化についても「こぼれ話」を詰め合わせて⾏く予定です。テキストは松平千秋・国原吉之助『新ラテン⽂法』東洋出版を使⽤しますので、事前に⽤意しておいてください。
※今回の講座は『ラテン語を始めてみようIV』のつづきとなり、第31課前後から始める予定ですが、初回でこれまでの内容の復習を行う予定です。
< 受講生へのメッセージ >
ラテン語は難しいと⾔う印象があるかもしれません。けれどもオーラルコミュニケーションが求められる場合は(おそらく?)、ありませんので、ゆっくりと学習してください。ただし語学は⼀度休んでしまうと、追いつくのが難しい場合があります。その時は申し出てください。遅れた分は少し急げば必ずフォローアップできます。
|