< 講座概要 >
五・七・五・七・七の韻律からなる短歌(和歌)は、古代から今日に至るまで、日本の文化・文学の歴史を通して享受されてきました。それぞれの時代の人びとが前時代の作品を読んでは新たな作品を作り、新しい作品が生まれ続けています。
8世紀に成立した『万葉集』は、今から1200年以上も前のものですが、社会環境や人々の生活が大きく変わったにもかかわらず、現代の私たちの心にも響く作品が少なくありません。
本講義では、古代から現代にいたる代表的な作品を鑑賞しながら、短歌(和歌)の文化を現代へとたどります。この短い詩形の魅力に心奪われたのは日本人ばかりではありません。外国人研究者らの評価や、外国語訳も随時紹介し、受講生と共に作品理解を深めたいと思います。
近代になって、短歌は広い範囲の人々に身近なものになりました。現代では多くの新聞・雑誌に短歌の投稿欄があり、電子媒体を通して短歌を楽しんでいる人も大勢います。最近では、コロナ禍にSNS等で短歌を発信する人が若い世代にも増えたことから、空前の「短歌ブーム」が訪れたと言われることもあります。本講義では、この詩形の魅力を、講義と作品鑑賞を通して味わいます。
【持ち物】 筆記用具、スマートフォン
< 受講生へのメッセージ >
テキストは教室で配布します。講義を軸に進めますが、毎回、小さな課題(作品鑑賞や選歌、時に現代語訳など)の提出を求め、受講生と情報交換を行いながら授業を進めます。折々復習回を設けて受講生とのディスカッションを行い、理解を促進します。
なお、病気等で教室に来られない人のために授業の録画を用意する予定です。何かあっても諦めずに、全て参加していただきたいと思います。
授業の到達目標は次のとおりです。
1.日本の文学史上の短歌(和歌)について基本的な知識を得る。
2.古代から現代までの作品を通して、日本語表現への理解を深める。
3.幅広く鑑賞する力とそれを自分のことばで表現する力を鍛える。
|