< 講座概要 >
本講座では、古典ギリシア語の習得を⽬指しています。⼀⼝に古代ギリシア語といっても、ミュケーナイ、イオニア、ドーリア、レスボス等、時代・地域にわたって複数の⽅⾔が存在していましたし、さらに散⽂や詩などといった⽂芸のジャンルによっても使われる⽅⾔や語彙が異なっていました。翻って本講座では「紀元前5世紀から4世紀にかけてのアテナイで散⽂に使⽤されたギリシア語」と限定して学習したいと思います。
この⽅⾔はプラトンやアリストテレスをはじめとした哲学・思想、トゥキュディデスやヘロドトスなどの歴史⽂学、リュシアスなどの法廷弁論やソフィスト達の議論など多彩な内容をカバーしていますし、⼀般に他の古代ギリシア語を学習する際の出発点となるものです。これを習得することで他の⽅⾔への道も、またコイネーといわれる新約聖書を記した後代のギリシア語への道も開けてくるものと思われます。
そのような古代ギリシア語の発⾳や⽂法を、教科書に即して初歩の初歩から学ぶこと、これが本講座の⽬的です。具体的に列挙すれば、
1)名詞・形容詞については各種の変化
2)動詞については規則的な動詞の能動態の時制変化
となります。また本講座では、同時に、ヨーロッパ⽂化を形作るもう⼀つの古典語であるラテン語やギリシア・ローマ⽂化についても「こぼれ話」を詰め合わせて⾏く予定です。
テキストは⽥中美知太郎・松平千秋『ギリシア語⼊⾨・新装版』(岩波書店)を使⽤しますので、事前に⽤意しておいてください。
*今回の講座は『古典ギリシア語を始めてみようII』のつづきとなり、第20課前後から始める予定ですが、初回でこれまでの内容の復習を行う予定です。
< 受講生へのメッセージ >
Itʼs Greek to meという成句があるくらい、ギリシア語は難しいと言う印象を持たれるかもしれません。けれどもオーラルコミュニケーションが求められる場合は(おそらく?)、ありませんので、ゆっくりと学習してください。ただし語学は⼀度休んでしまうと、追いつくのが難しい場合があります。その時は申し出てください。遅れた分は少し急げば必ずフォローアップできます。
|